杖について思うこと

意味とか価値とかは置いとくとして、ここまで一人で到達するのは本当に苦労した。

その苦労に見合うだけの価値を、自分は出来るようになったとしても、自分自身に見出すことができないかも知れないという不安が付きまとう中、それでもできるところまで突き詰めていくという作業(稽古じゃない、作業だ)は精神をすり減らすには十分過ぎる。

やってる最中にその種の無力感に襲われながら、最後の2年間、できてない動きを探索して不満な動きをチェックして詰めてきた。

もうこれで終着点だ。これ以上、独力で進める道はない。行き着く先が頂きではなく、それ以上登ること不可能な崖だということが分かっていて、手を引いてくれる人もいない中、這うようにして進んで最後の詰めをやってきた。終着点に寝転んで見えるのは、この方法では絶対に超えることができない断崖である。だが、十分だ。よくここまで来た。価値があるのか意味があったのかよく分からない。だが、本当によくここまで来たと思う。