リサイクルは熱力学的に全くのムダ?

注意として、言葉の詳細を覚えてなく、また真意も不明でした。
ですが、リサイクルの話に不用意に熱力学を持ちだしたことを批判しときます。

自分の理解では古典的な熱力学の議論が成り立つのは、(熱浴を含めて)孤立して、熱平衡状態に到達した系だからです。

実験室の外にある極めて複雑な系に熱力学を使っていいものなのかどうかというのは、基本的にダメだと思っています。熱平衡状態に達したなら、生物などというイレギュラーは存在してはいけないので、地球上にある「実験室的でない」マクロな状況に対してどれだけ熱力学を適用できるかというと、かなり怪しい。熱力学は「熱平衡状態という極端な状況」しか成り立たないという原則(もちろん理論やってる人はあえてこの原則に挑むのでしょうけれども)を武田氏は無視しています。

しかし、やはり未だに真意が不明です。エントロピー増大則があるから、何をしてもエントロピーが増えると言いたいのでしょうか?

私自身、数式で説明しろと言われたら困るヘタレですが、自分の理解ではエントロピーはエネルギーを投資することで、系の一部分からその他の部分へと捨てることができるはずです。エントロピーを捨てた先も含めて、「全体としてエントロピーは増大する」というのがエントロピー増大則なので、まずいと知りつつ熱力学的な言葉使いで言うなら、エネルギーを使ってリサイクルされる製品から新しい秩序を生み出し(エントロピーの減少)、減少した以上のエントロピーを(主に排熱として)外部に捨てることがリサイクルである、と言うことはできますね。鉱山から採掘しても、同様のことは言えるので、リサイクルが無駄という言い方は成り立たないのではないかと思います。繰り返しますが、リサイクルが無駄である理由を詳細に語らなかったので、ここにある批判は私の想像に補われている部分が大です。

ただ、付け加えておくと、武田氏が以前から主張する、プラスチックゴミは熱回収すべきという主張や、ペットボトルの蓋を集めて送料をかけて送るという、「リサイクル運動」への疑問には私も大いに賛成するところです。